生涯未婚率が高まる中、女性も保険に加入したり、投資を行ったりと、老後不安解消のために資産運用をする人も増えてきました。
しかし、30半ばで突如、不安を感じて保険に入りすぎてしまい貯蓄がままならなくなっている人も多いのが現状です。
ここでは無駄を省いて貯蓄のペースを上げ老後に備えるための保険の見直し術を紹介しています。
貯蓄も保険も必要なもの
もしものときに支えてくれるパートナーがいないという人ほど保険の見直しの必要性は高まります。
だからといって、たくさん加入するのでなく手取り収入の1割から2割をめどに貯蓄にまわし、貯蓄性のある保険もここに含めます。
そして5パーセントにとどめるように、損害保険も含めた通常の保険を保障と保険料のバランスを考慮して選ぶことで、使い道自由な現金と保障の両方を用意することができ老後不安を解消できる見直しが行えるのです。
勧誘されるがままに加入
30代後半のAさんは周囲が結婚していく中、今後の生活に不安を感じ見直しの際に、言われるがままに保険に加入したことで年間の保険料の総額は47万円にまで到達していました。
定期付終身保険に定期保険、利率変動型積み立て終身保険、個人年金保険に加入しており、加入することで不安を取り除こうとしたのです。
しかし、合計4500万円もの死亡保障は未婚のAさんには必要なく、入院特約のついたものが2つある上、更新されれば保険料はもっと跳ね上がり中途解約の可能性も出てきたため、とてもムダな保険料を支払い続けていました。
相続でもらったお金で
Bさんは安定した収入があり、すでに個人年金保険にも入っていましたが、40代で親から相続した1200万円のうち半分を老後の備えとして保険で運用して増やしたいと考え見直しを行いました。
そこで、個人年金はそのままに、新たに米ドル建ての養老保険と米ドル建ての一時払い終身保険、豪ドル建ての終身保険に加入することで、リスク分散と高い返戻率を確保し、貯蓄を増やして老後に備えることができたのです。
働き盛りの時期に貯蓄と手厚い医療保障を
シングルであれば、ほとんどが掛け捨てとなる保険で高い死亡保障を得る必要ありません。
医療保険も更新型だと更新のたびに保険料が上がるので、支払えなくなる可能性が出てきます。
そこで、Aさんの事例でみると、個人年金保険は残し、ほかの3つの保険を解約して、新たに手厚い保障のついた医療保険に入りなおすことができます。
貯蓄性のある商品を残した上で、年額で64000円ほどで手厚い保障の医療保険を手に入れることが可能です。
年間16万円ほど浮きますから、貯蓄やBさんのように運用商品で資産を増やすこともできます。
運用商品は安心して任せられるものを
保険で貯めるメリットは年金額や保険金額、解約返戻金などが確定している点です。
また、一時払いや前期前納可能な商品であれば利回りを高めることができます。
近年では子どもの教育費や老後の介護費用などを貯める目的で使える終身保険も多いので、目的が決まっていればこのような保険を活用することも可能です。
また、家計に余裕があり運用して増やしたい場合には外貨建て商品や変額保険などがよく、運用状況をチェックしなくても任せられるもの、目標額の設定ができその後の利点があるものなどを目安に検討していきます。
老後に向けて働き盛りはムダを省く
未婚で子どももいなければ、死亡保障は200万円程度でも十分です。
それよりも、長生きリスクに備えておくことが大事です。
生涯未婚かどうかは結果論であり、わかりにくいものですから老後に家を現金一括購入できるぐらいの余裕があれば安心できます。
60代で未婚だった場合に一括購入すれば老後にあわせた住まいを最初から確保でき、亡くなるまでの期間の修繕費用も安くおさえられます。
また、30、40代では貯蓄と並行して貯蓄性のある保険を利用しておけば、老後の保険料も安く抑えられ、老後不安に対応可能です。