外資系保険会社やネット専業保険会社の参入により、保険商品は多様化しています。
安さを売りにする商品が多いですが、商品の特性を考えて加入しなければかえって損をする場合もあります。
30代の男性会社員を例に、失敗事例から成功ポイントを学びましょう。
お得な保険に加入しても、見直しが必要?
保険見直しの必要性について
30代の男性会社員・Aさんは、妻と幼い息子の3人暮らしです。
電機メーカーの営業職として働いていますが、学生時代から保険や金融にも関心があったため、自ら生命保険・医療保険にも加入していました。
ただし、いずれの保険も若い頃に加入したため、現在の自分に合っているかどうかはわかりません。
結婚して子供が生まれたこともあり、Aさんは「保険はライフスタイルによって選ぶべきだと言うし、そろそろ見直そう」と考えました。
保険料はお得だけど、解約してもお金が返ってこない!
指定の保険見直しの失敗事例について
Aさんがまず着手したのは、22歳の時に加入した医療保険の見直しです。
入院すれば1日あたり5,000円が支給されるもので、保険料は月額およそ1,300円です。
新卒当時はこれでも十分でしたが、収入が増え家族もできた今となっては不十分のため、給付金を10,000円に増やすことにしました。
ところが、Aさんが加入する医療保険は掛け捨て型であり、解約しても返戻金(へんれいきん)は1円も受け取れません。
給付金の増額などプランの見直しも行えないため、Aさんは保険を解約して加入し直さなければなりませんでした。
積立型の医療保険はここがお得!
指定の保険見直しの成功事例ついて
Aさんは新しい医療保険を探し、積立型の商品をいくつか見つけました。
その中で気になったのが、「受け取った給付金の分だけが積立金から取り崩され、残りは60歳になった時に受け取れる」というものです。
Aさんの場合、給付金が日額10,000円のプランだと保険料は約6,500円になります。
掛捨の保険よりは高いですが、60歳まで給付を受けなければそれまでに支払った約240万円を全額受け取れるため、結果的には得をすることになります。
積立型医療保険の特徴とプランは?
指定の保険見直しの商品の価格やタイプについて
Aさんが加入を検討した積立型の医療保険には、日額10,000円プランのほかに、7,000円と5,000円のプランもあります。
いずれも加入時の年齢によって毎月の保険料が決まり、保険期間・払込期間は終身です。
この保険の最大の特徴は、60歳または70歳まで被保険者が生存していた場合、それまでに支払った保険料を全額受け取れることです。
仮に入院などによって給付が生じても、それを差し引いた金額を受け取れます。
すべての人に合う保険がないからこそ、自分に合う保険を選ぼう
指定の保険見直しをする時の保険商品比較のポイント
Aさんは早速資料を請求し、60歳になれば支払った保険料が全額戻ってくる医療保険に加入しました。
結果的には満足していますが、「どうせ見直すくらいなら、若い頃に給付額が多い医療保険に入っておけば良かった」という後悔もあります。
実際に、同僚のBさんは大学在学中に日額10,000円の医療保険に加入したため、安い保険料で済んでいます。
ただしBさんは独身のため、貯蓄性がない掛捨の保険でも良いという事情があります。
ライフスタイルによって最適な保険は異なりますから、どの商品が自分にふさわしいか考えましょう。
保険は積立・掛捨だけで比較せず、ライフプランを基準に選ぶもの
まとめ
この記事では安い掛捨の医療保険を見直した事例を紹介しましたが、掛捨の保険がすべて悪いわけではありません。
保障額が十分であり、計画的に貯蓄を行うこともできるならば、むしろ保険料の安さが大きなメリットとなります。
一方で、高い保障額と同時に貯蓄性も確保したいのであれば、積立型の保険が有力な選択肢となります。
たった一つの正解はありませんから、どの保険が自分にふさわしいかを焦らずに考えましょう。