女性のライフステージにおいて、妊娠・出産は大きなイベントとなります。
新しい命を授かることは喜ばしいことに違いありません。
しかし残念ながら、全ての人の妊娠出産が順調に進むということはなく、止むを得ず帝王切開になることや合併症による産後の治療が必要となることもあります。
ただでさえお金のかかること、予想外の出費に備えることも考えてみませんか。
保険は本当に必要なのか
一般的に健康保険は掛け捨て型の場合、契約期間内に病気も怪我もなく過ごすことができた場合は掛け金が返ってくることはありません。
日本では国民全員が国の健康保険に加入している為、保険内治療であれば自信の負担はそこまで大きくなりません。
その為病気や怪我をしない自信があるのならば、民間の保険に払う掛け金分を貯金した方が良いでしょう。
しかし、保険外治療や先端医療となると全額実費となってしまいます。
また、治療そのものは保険内でも入院における差額ベット代等は全額自己負担となります。
自身が医療にかかる可能性を考え、保険の必要性を考える必要があるのです。
妊娠出産で発生しやすいトラブルに、緊急帝王切開があります。
保険内ではありますが、手術ですので入院が伴い費用が掛かることが想定されます。
それ以外の合併症等も、生涯を通しての病気や怪我に比べて、妊娠から出産までの限られた時期だけでみると起こりやすいと言えるのではないでしょうか。
ただでさえ多くのお金がかかる出産、少しでも急な出費に備えるべきではないでしょうか。
妊娠・出産に関係する保険とは
近年、女性向けをうたった保険をCMなどで見かける機会が増えたかと思います。
この女性向け保険の保証範囲は一般的なものに加えて妊娠出産に関わる治療をカバーしているものが多く存在します。
女性向け保険の多くは、一般的な病気怪我の保証に加えて女性特有の病気やガンに対しての保証が付帯しています。
この「女性特有の病気」の中には子宮頸がんや乳がんは勿論、子宮外妊娠や帝王切開、異常分娩等妊娠出産に関わるトラブルにも対応しています。
帝王切開は約20%、子宮外妊娠は約1%と、発生の可能性は決して低くありません。
女性向け保険の多くは自然分娩後の入院は保証対象外となっていますが、ABC小学短期保険のABCおかあさん保険等、自然分娩での入院でも保障が受けられるものも存在します。
女性向け保険の掛け金は?一般的なものと比較して
前でご説明した通り、女性向け保険では一般的な保障+女性特有の病気に関する保障がついています。
そこで気になってくるのが掛け金ですが、どの程度の差があるのでしょうか。
メットライフ生命の終身医療保険で比較してみましょう。
25歳女性の場合、通常の健康保険(シンプルタイプ)と比較して女性向け保険の掛け金が月当たり1000円程度高く設定されています。
また、シンプルタイプでは5年間保障を受けなかった場合に5万円が戻ってきます。
これを月換算すると833円ほど、つまり月額で1800円ほどの差があることになります。
勿論これはメットライフ生命の例ですので保険会社によっても掛け金の差は変動しますが、どちらにせよ女性向け保険は保障内容が手厚い分、掛け金も割高となるようです。
どちらを選ぶ?終身型か掛け捨て型か
保険には一生涯の保障がついた終身型と、契約期間が限定される掛け捨て型があります。
保険料の支払いが全て終了した後は一生涯の保障を受けることができます。
また、支払いが終了した後に今まで支払った保険料が全額あるいは利息分が上乗せされて戻ってきます。
一方掛け捨て型は契約期間がある保険のため、保険料を納めている期間のみ保障が続きます。
貯蓄型保険は将来的に保険料が戻ってくるため、「無駄のない」保険と言えます。
しかし月々の保険料が高額であり、万が一支払いづつけることができずに途中解約となった場合の返還率はとても低くなってしまいます。
掛け捨て型はその名の通り掛け金が戻ってくることはないので、保障を使わなかった場合そのお金は無駄となります。
また、契約更新の際の年齢、健康状態によって掛け金が高くなるか、保障内容が手薄になってきます。
一方掛け金が貯蓄型と比較してかなり安い為、家計への負担は少なくてすみます。
自分にあった保険選びを
保険商品が多数存在する中、保険選びをサポートしてくれるサービスもあります。
保険のプロに頼むのも一つの方法ですが、あくまでも向こうは商売の為、高額な保険を進めてくる可能性も否定できません。
自分で選ぶにせよプロに手伝ってもらうにせよ、自分に必要なものは何かを考える必要がありますね。
まずは保障内容。
女性向け保険と一口に言っても、保障内容は各保険によって異なります。
いざ保障を受けようとした時に、保障対象外ですでは困ります。
妊娠出産を予定されている方は特に、帝王切開や異常分娩等の起こり得るトラブルに対応できる内容かを確認する必要があります。
もう一つは月々の掛け金です。
貯蓄型か掛け捨てかだけでも大きく変わりますが、保障内容や保障金額によっても変動するので、将来を見据えてかつ家計的に支払い付けることが可能かどうかを計算する必要があります。
最低限これらのことを頭に入れておくことで、膨大量の保険商品から自身に必要な保険を絞り込むことができるでしょう。
不安のない妊娠生活を
女性にとって妊娠出産はただでさえ金銭的、体力的、または健康的に負担が大きいものです。
保険に加入することで少しでも負担が少なくなるのであれば、加入を検討してもよいでしょう。
保険選びは「選択」の連続です。
まずは「そもそも自身の出産に保険が必要か」、何かあっても賄えるだけの貯金が既にあるならば、女性向けに拘らずに一般的な保険を検討する、もしくはそもそも保険に入らないことも選択肢の一つです。
そして保険への加入を検討するならば、自身に必要な保障内容を考え、必要なものが揃っている保険を「選択」しましょう。
先端医療や死亡保障が付帯しているものもありますが保険料が高額になる為、必要かどうかを見極める必要もあります。
また、妊娠出産は基本的に一生涯繰り返すものではない為、必要な時期だけ女性向け保険を使い、将来的に見直しを考える為には貯蓄型ではなく掛け捨て型を選び家計への負担を少なくするという「選択」もあります。
今自身に何が必要かだけでなく、将来的なビジョンも考えることで適切な保険選びが可能となるでしょう。