年金と言えば、国から加入が義務付けられている公的年金がありますが、個人年金保険は民間金融機関が運営している年金です。
公的年金だけでは老後資金が不安、という場合に加入を検討する方も多いのではないでしょうか。
老後の暮らしのことを考えてみると?
個人年金保険の検討理由として、老後資金を確保するため、が挙げられます。
定年後に暮らしていくためにいくら必要かを試算した結果、公的年金だけでは不安。
また、年金額が目減りしていくことも考えられる、という不安要素は尽きないことでしょう。
老後資金の作り方にはいくつか方法がありますが、個人年金保険は、株やFXといった商品よりは安全性が高いものだと言えます。
株やFXはリターンは大きいですがその分リスクも大きく、もし運用に失敗してしまうと老後資金を増やすどころか減らすことになり、時間的に取り戻すことも難しくなるという状況に陥る可能性があります。
その点、個人年金保険は基本的に元本保証です。
銀行の預金より利率も高く、もしもの場合は中途解約も可能な比較的安全な商品なのです。
もっと知りたい、個人年金保険
それでは、個人年金保険の保証内容について見てみましょう。
個人年金保険の受け取り方は3種類です。
生きている限り一生受け取れる「終身年金」。
被保険者の生死に関係なく決められた期間だけ受け取れる「確定年金」。
決められた期間のうち、被保険者が生存しているうちは受け取れる「有期年金」があります。
「終身年金」と「有期年金」は、亡くなる時期によっては元本割れのおそれがあります。
「確定年金」は、被保険者が亡くなっても遺族が受け取れるので、原則として元本割れはありません。
また、個人年金保険は公的年金と違い、万が一お金が必要になった時は一時金として受け取ることも可能です。
その場合、それまでに支払った掛け金が受け取り額を下回る可能性が出てくるので、できれば解約しないようにしたいものです。
個人年金保険は無理なく加入できる?
では、個人年金保険はどのくらいの掛け金なのでしょうか。
個人年金保険は、将来の自分にはどのくらいの老後資金が必要かを試算した上で、公的年金の不足分を補うためのもの、という考え方ですので、無理のない金額でかけた方が良いでしょう。
とは言え、年金額を多く受け取りたい場合は、掛け金も高くなるものです。
頑張りすぎてしまった結果、生活が立ち行かなくなり中途解約をしてしまっては元も子もありません。
個人年金保険では掛け金も大事ですが、加入年数も受け取り額を左右します。
基本的に、資産運用の最大の味方は時間です。
老後の資金を確保するのに早すぎるということはありません。
少しでも気になったら、早めに検討するというのも、毎月の掛け金を楽にするひとつの方法と言えます。
年金はいつ受け取ればいいの?
個人年金保険には、「定額型」と「変額型」の2タイプがあります。
「定額型」は、受け取れる金額が決まっているもので、リスクが少ないので好まれる傾向にあります。
また、年末調整や確定申告時に生命保険料控除として税金が戻ってくるのですが、多くの「定額型」保険が、個人年金保険料控除の対象になっています。
一方の「変額型」は、加入時から運用指図をし、受け取れる年金額を増やしていくものになります。
「定額型」は、掛け金の運用を保険会社が行ってくれますが、「変額型」は自分で運用していくことが目的です。
「定額型」は、あまり元本は増えませんが受け取れる年金額が決まっています。
一方の「変額型」は、運営手数料が差し引かれたり、失敗して元本が減るリスクはありますが、大きく元本が増える可能性があります。
自分の考え方や手元の原資を確認して、後悔のないように選びたいものです。
個人年金保険、どうやって選ぼう?
個人年金保険に加入を検討する際のポイントですが、年金の種類、年金の期間、どんな商品が自分に合っているか、保険金額、で検討していくと良いでしょう。
年金の種類として受け取る時期をいつにするのか、ということで「確定年金」、「終身年金」、「有期年金」のどれにするのかを検討します。
そして、年金の開始時期をいつにするのか?支払い期間はいつまでにするのかについても考えましょう。
検討している各商品の返戻率はどれくらいか、については重要なポイントです。
返戻率とは、支払った金額に対して、いくら年金が受け取れるか、というものです。
比較する際は、保険料、保険料の支払い期間、保険期間、の条件を同じにして比較すると良いでしょう。
また、保険料の支払い方法ですが、年払いにするのか、月払いにするのかを選択できます。
年払いの方が保険料が安くなるので、余裕がある場合は年払いしてしまうのも返戻率をよくするひとつの方法です。
老後を安心して過ごすために
老後の暮らしを心配だ、安心して楽しく余生を過ごしたい、とは、誰しも思うことでしょう。
老後の生活を考えるに至った今こそ、行動に移す時ではないでしょうか。
いくつかの選択肢の中で、個人年金保険は方法として十分良いものだと言えるでしょう。
老後資金を作るために大切なのは、安全性です。
個人年金保険は、他の金融商品と比較してもリスクが低く安全性の高いものであると言えます。
安全性を重視すると、受け取り額があまり増えず個人年金保険に加入した意味があるのか?と疑問になってしまいがちですが、そもそも、老後資金は余剰資金を作るためではなく、生活するための資金を確保するものなのです。
無理をしてリスクを取ると、万が一目減りしてしまった元本を取り戻したくても、残念ながら時間が少なくなってしまっているのです。
預金よりも高い利率がありつつ所得控除も受けられるというメリットを生かして、安全に無理なく掛けられる個人年金保険は、老後資金を用意するのに適した商品だと言えるでしょう。